行動制限がかかった時に東京都の感染者数がどのように変化するか計算しました。 行動制限により感染者が未感染者と接触する機会が減ることで感染率が下がります。 つまりβが下がるわけですがγが一定ならR0(=β/γ)も同じ割合だけ下がることになります。 上の図では東京都の新規感染判明者数、累積感染者数の上に 計算結果を(行動制限率(上のrestriction level)と制限をかけた日にちを変化させて)重ね書きすることができます。 SIRモデルでは、R0=1.9、γ=0.111の時に76日目に65%の行動制限をかけたとした計算がよく合うように見えます (SEIRモデルではR0=2.9、72日目に81%の行動制限時)。 76日目というと緊急事態宣言発表(4/7)の2日後になります。 SIRモデルの場合、潜伏期間を考えていないので行動制限がかかると即座に新規感染者数に影響します。 緊急事態宣言発表前から自粛の呼びかけ等ありましたので76日目というのは潜伏期間を考えれば妥当な数値だと思います。
まだ新規感染判明数が減少しはじめて時間がたっていないので正確なことは言えませんが、 この調子だと新規判明感染者数が0になるまで行動制限後130日(205日目)、 市中感染者が0になるまで190日(266日目)と相当の時間を要する感じです(5/4現在)。 また行動制限100%とした場合でもそれぞれ45日(120日目)、60日(137日目)かかるようです。 行動制限100%だと新たな感染は起こりません。しかし市中にはまだ大勢の感染者がいます。 その感染者が回復するかPCR検査を受けて隔離されすべていなくなるまで戦いは終わりません。計算上は行動制限100%が限界でこれより早く終息しません。 しかしまだ方法はあると思います。 感染終息のスピード(対数表示の時の線の傾き)はγの大きさで決まります。 そもそもγというのは感染者が回復するかPCR検査を受けて隔離され市中から除かれる率です。 つまりPCR検査を積極的に行うことで早期に感染者を見つけ出し、 γ自体を大きくすることで 終息を早くできる可能性があるのではないかと思います。